高級料亭「八百善」の主人が出した『料理通』に載ってる鰹の図(アリギリス蔵) |
いやあ、夏ですね。暑いですね。
江戸っ子たちは“初物”にちょっとオカシイくらいにこだわっていました。
江戸の夏の到来を告げるのが初鰹(はつがつお)です。
松尾芭蕉も
鎌倉を生きて出でけん初鰹
とうたっています。
四月の初旬になると鎌倉から馬や船で江戸の町に運ばれてきました。
が、まあ、その鰹の高価なこと!
文化9(1812)年の記録によると…。
初鰹17本を積んだ船が江戸に入り、6本は将軍様へ献上され、3本を高級料亭の「八百善」がそれぞれ2両1分で入手。歌舞伎役者の3代目中村歌右衛門は、魚屋から3両で買ったとか。
貨幣価値に関しては諸説ありますが、1両=10万円とすると……。
鰹1本30万円!!!ひゃ~~~。
人より少しでも早く手に入れて味わいたいというこの江戸っ子の見栄と情熱ってば……(絶句)。
ちなみに、現代では、初競りで高値の付くマグロ。江戸時代には人気のない魚でした。当時は冷蔵技術もないわけで、大漁すぎると肥料にされていたそうです。もったいな~い!