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2012年3月2日金曜日

遠山の金さんは実在の人物

「今日は何の日?」

「遠山金さんの日~」

って、名奉行・遠山の金さんの日があるなんて驚きですね。

時代劇での「この桜吹雪が~」の名セリフでおなじみの遠山の金さんですが、実在の人物です。
1840年(天保11年)の今日(3月2日)北町奉行に任命されました。

本名は遠山金四郎景元です(金四郎は通称)。若い頃はかなりの遊び人だったことは事実ですが、腕に桜吹雪の柄の彫り物まで入っていたかは、資料が残っていないので残念ながらわかりません。
ですが、江戸版紳士録といわれる『武鑑』にもほれ、このとおり北町奉行として名前が載っております。
名前の左上に小さく「北」の文字が。(アリギリス蔵)

金さんの役宅(幕府のエライお役目につくともらえる屋敷。官舎みたいなもの)は深川にあったようです。
こちらもほれ、『江戸切絵図-本所深川絵図』に、このとおり。
この金さんの屋敷は、鬼平こと長谷川平蔵も使っていたことがあったんですよ。

現在の都営地下鉄菊川駅の近くです。(アリギリス蔵)

町奉行という役職は超激務でみんな早死してしまうほどです。金さんは、北町奉行と南町奉行の両方を務めたという珍しい人でもあります。かなり有能だったのか、それとも手抜きがうまかったのか…。

実際の資料にこうやって名前が出てくると、時代劇中の人物もがぜん親近感が湧いてきませんか?

2011年10月12日水曜日

お江戸紳士録――「武鑑」

江戸時代は出版文化が花盛りでいろいろな種類の本が出ていました。

「武鑑」は大名・旗本などの名前・領国・石高・紋・役職・旗指物などを記した本です。
今で言うところの「紳士録」みたいなものです。
存命活躍中の人々が載っているわけですから、けっこう面白いものとして広く読まれていたようです。
確かに目の前を通り過ぎた大名行列がどこのお殿様でどのくらいの収入があるのか分かったりしたら面白かったろうと想像します。
「武鑑」にも出版社によっていくつか種類があります。
これは『袖珍 有司武鑑』というもの。
馬喰町の出雲寺金吾版で天保18年に刊行したものです。
サイズは15センチ×7センチと小さく、まさに着物の袖の中に入る大きさ=「袖珍(しゅうちん)」ってわけです。

『珍袖有司武鑑』天保18年刊 (アリギリス蔵)

中身は最初に大老→老中→若年寄→と偉い順に続いていきますが、江戸のお役目の最後を見てみると・・・

(アリギリス蔵)


「公人朝夕人(くにんちょうじゃくにん)」と「囚獄(しゅうごく)」が並んでいます。(赤で囲んだ部分)
「公人朝夕人」がどんなお役目だったかというと、将軍が束帯(そくたい)で出かけるときに尿筒(しとづつ)を持ってついて歩くという役です・・・。
「囚獄」は伝馬町にあった牢屋敷の管理をするお役目です。石出家が代々世襲して、帯刀を名乗りました。このお役目は「不祥」ということで、格としては与力格でお目見えできるはずなのですが、江戸城への登城は許されませんでした。

しかも武鑑すら、彼らの前に1行空白を空けて区別するなんて・・・。何だかちょっと切ないお役目です。