ラベル 歳時記 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 歳時記 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2011年11月2日水曜日

幸運とお金をかっこめ~! 浅草酉の市

初期の頃の酉の市の様子。養鶏の収穫祭らしく鶏がいます。
『江戸名所図会』より「鷲大明神祭」(アリギリス蔵)

さあみなさん、今年も「酉の市」のシーズンがやって来ました。
毎年11月の酉の日に開催され、翌年の開運招福と商売繁盛を祈願するお祭りです。

酉の市は東京都台東区千束の鷲(おおとり)神社が有名ですが、都内のあちこちの神社でも行われています。


正真正銘江戸発祥のお祭りで、もともとは養鶏を営む人たちの収穫祭。そこに農具の市が立つようになり、幸運とお金を掻き込む熊手が縁起物として有名になっていったようです。
かの遊郭吉原のお隣ということもあり、浅草・鷲神社の酉の市にはイベント好きの江戸っ子がわんさと押しかけました。

熊手もはじめはシンプルでしたが、だんだんとお多福や宝船、米俵といった縁起物で飾られてにぎにぎしくなっていきます。

髪や襟にさすかんざし熊手も作られて、このかんざし熊手を襟首にさすと、
運が強くなり、いっさいの魔を払い、何事にも勝利できると言われました。
その証拠に『江戸名所図会』には、ちょんまげにかんざし熊手をさしたちょっとマヌケなお侍の姿があります
 


 かんざし熊手をちょんまげにさしたお侍の姿は超レア!
『江戸名所図会』より「鷲大明神祭」(アリギリス蔵)

2011年の鷲神社の酉の市は、11月2日・14日・26日です。
今もその賑わいぶりは江戸時代さながら。
いろいろありすぎたこの一年の厄災をふりはらい、新しきよい年を迎えるために出かけてみましょう。

2011年8月22日月曜日

江戸の花火

『江戸名所図会』より「両国橋(アリギリス蔵)
今週末は隅田川の花火大会ですね。
学生時代に東向島在住の同級生の家にみんなで押しかけて、親戚やご近所さんみんなで通りに座って、和気あいあいと花火を見たことを思いだします。都会とはいっても下町はご近所づきあいが密で、郊外のベットタウン育ちの私は「いいなぁ」と羨ましく思いました。

さて、江戸時代の花火。今と同様に江戸っ子たちも心待ちにしていたものです。

両国の花火は、5月28日の川開きの際に打ち上げられました。
川の上にはたくさんの納涼の屋形船が出て、橋のたもとの広場にも人がぎっしり。


きれいな花火を見ると「たまや~」「かぎや~」と掛け声をかけますが、これは花火師の屋号です。「玉屋」が上流、「鍵屋」が下流と決まっていて、互いに技を競い合っていました。「玉屋」は残念ながら天保14年に火事を出したため廃業。一方の「鍵屋」は、現在は打ち上げ業者として続いているそうです。

暑い夏でも川のそばにいくと、涼しい風が吹いてきます。江戸は川の巡る水辺都市でした。しかし、今は暗渠になっていたり、高速道路で塞がれていたりで、昔の姿が感じられないのがとても残念です。韓国・ソウルの清渓川(チョンゲチョン)みたいに、高速道路が取り払われて散歩道が整備され、憩いの場として東京に川が戻ってくることを願います。

2011年8月1日月曜日

本日は八朔


『江戸名所図会』より「新吉原仲の町八朔の図」(アリギリス蔵)

 
突然ですが、クイズです。

本日、8月1日は江戸時代には、とても重要な日でした。
 「八朔(はっさく)」と呼ばれるこの日、なぜ重要だったのでしょうか?


【答え】徳川家康が江戸に入城した日



このゆかりで、8月1日は祝日となり、大名たちは白帷子(しろかたびら)を着て江戸城に登城しました。
この日からが衣更えだったそうなので、白帷子の正装で登城する大名たちの姿は季節を感じさせる江戸の町の風物詩のひとつだったのでしょうね。

また、吉原では遊女が白無垢(しろむく)を着るという習慣がありました。
でも、権現様(家康)の江戸入城と吉原の遊女町という組み合わせは、現代人の私には何だか違和感があるのですが……。
この感覚が理解できるようになれば、江戸のことももっと深く理解できるのかもしれませんね。

2011年7月27日水曜日

江戸っ子と初鰹


高級料亭「八百善」の主人が出した『料理通』に載ってる鰹の図(アリギリス蔵)



いやあ、夏ですね。暑いですね。

江戸っ子たちは“初物”にちょっとオカシイくらいにこだわっていました。

江戸の夏の到来を告げるのが初鰹(はつがつお)です。

松尾芭蕉も

鎌倉を生きて出でけん初鰹

とうたっています。

四月の初旬になると鎌倉から馬や船で江戸の町に運ばれてきました。

が、まあ、その鰹の高価なこと!

文化9(1812)年の記録によると…。
初鰹17本を積んだ船が江戸に入り、6本は将軍様へ献上され、3本を高級料亭の「八百善」がそれぞれ2両1分で入手。歌舞伎役者の3代目中村歌右衛門は、魚屋から3両で買ったとか。
貨幣価値に関しては諸説ありますが、1両=10万円とすると……。

鰹1本30万円!!!ひゃ~~~。

人より少しでも早く手に入れて味わいたいというこの江戸っ子の見栄と情熱ってば……(絶句)。

ちなみに、現代では、初競りで高値の付くマグロ。江戸時代には人気のない魚でした。当時は冷蔵技術もないわけで、大漁すぎると肥料にされていたそうです。もったいな~い!