2011年7月13日水曜日

江戸時代、今いる場所には何があった?


「江戸切絵図--飯田町駿河台小川町絵図」(アリギリス蔵)


みなさんは『江戸切絵図』をご存じでしょうか。
「住宅区分地図」の江戸時代版ようなものと言ったらわかりやすでしょうか。

今日、掲載したのは「飯田町駿河台小川町絵図」という題の地図で、飯田橋から駿河台、神田小川町の辺りを描いたものです。

さて、ではアリギリスのある神田小川町3丁目24番はこの地図のどの辺か、探してみましょう。


土屋采女正のあたりが神田小川町3丁目の一部(アリギリス蔵)
ありました、常陸国(ひたちのくに)土浦藩の土屋家の江戸上屋敷(かみやしき)です。

なぜ「上屋敷」とわかるかというと、家紋が書いてあるからです。
「江戸切絵図」では、上屋敷は家紋、中屋敷は■マーク、下屋敷は●マークというルールで描かれています。この家紋、もうひとつ役割があります。
家紋の位置と向きが屋敷の中で、“表門がどこにあるのか”を示しているのです。
武家屋敷には表札は出てなかったので、この『江戸切絵図』はとても重宝したと思われます。
土浦藩土屋家は譜代大名で、水戸藩と仲良し(?)でした。TBSの時代劇「水戸黄門」にも黄門様の味方として2代目藩主で老中をつとめていた土屋政直がよく登場してきます。
地図に書いてある土屋采女正(うねめのしょう=官位で従五位下)は、10代目藩主で、寺社奉行(寺社を統括する役職)や大坂城代など幕府の要職に就いた人物です。
自分の家やオフィスが江戸時代にはどんな場所だったのか、探してみるとテレビドラマや小説の舞台だったり、思わぬことがわかったりします。楽しいですよ。

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