『江戸名所図会』より「両国橋(アリギリス蔵) |
学生時代に東向島在住の同級生の家にみんなで押しかけて、親戚やご近所さんみんなで通りに座って、和気あいあいと花火を見たことを思いだします。都会とはいっても下町はご近所づきあいが密で、郊外のベットタウン育ちの私は「いいなぁ」と羨ましく思いました。
さて、江戸時代の花火。今と同様に江戸っ子たちも心待ちにしていたものです。
両国の花火は、5月28日の川開きの際に打ち上げられました。
川の上にはたくさんの納涼の屋形船が出て、橋のたもとの広場にも人がぎっしり。きれいな花火を見ると「たまや~」「かぎや~」と掛け声をかけますが、これは花火師の屋号です。「玉屋」が上流、「鍵屋」が下流と決まっていて、互いに技を競い合っていました。「玉屋」は残念ながら天保14年に火事を出したため廃業。一方の「鍵屋」は、現在は打ち上げ業者として続いているそうです。
暑い夏でも川のそばにいくと、涼しい風が吹いてきます。江戸は川の巡る水辺都市でした。しかし、今は暗渠になっていたり、高速道路で塞がれていたりで、昔の姿が感じられないのがとても残念です。韓国・ソウルの清渓川(チョンゲチョン)みたいに、高速道路が取り払われて散歩道が整備され、憩いの場として東京に川が戻ってくることを願います。
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