2012年1月6日金曜日

驚き!大奥の鏡餅曳き

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

江戸時代、大奥というところは「謎」に包まれていました。
明治時代になってからやっと「こんな風習があった」「建物はどうだった」などいろいろと語られるようになりました。
とはいえ「秘密の女だけの花園」で、しかもすでに「消滅してしまったもの」ですから、興味本位な話、脚色されている話、まゆつばな話なんてのも多いのが事実です。

今回紹介するのは、正月七日に大奥で行われていたといわれる
「鏡餅曳き」という行事についてです。

明治26年発行『風俗画報』より「御本丸大奥年中行事正月七日御鏡餅引之図」(アリギリス蔵)

この人たちいったい何をしているかというと・・・。
正月に江戸城に献上された鏡餅を男の役人と下男たちが、将軍と御台所(将軍の正妻)をはじめとする大奥の面々のまえで、扮装して山車のごとく引っ張っていくというものです。

「え?大奥って将軍以外は女しかいないんじゃないの?」って思いませんでしたか?
実は「広敷(ひろしき)」とよばれる大奥担当の男性の役人たちがいたのです。
左手前に裃(かみしも)をつけて座っている2人の男性がその広敷役人です。

股の間に何やら挟んでいる真ん中の男性は、御膳所の役人です。
彼らの本来の仕事は料理を作ることなのですが、大奥のみなさんに楽しんでいただくためにはこのような扮装もしなくてはなりません。。。

彼の扮装の詳細です。
大すりこ木にまたがって、焙烙(ほうろく:素焼きの平たい土鍋)を笠にし、大根・ごぼうを両刀にみなして、橙を貫いた槍を持ったお付従えています。
すりこ木は春駒(馬)に見立てたと解説されていますが、どう見ても・・・・・・。ちょっと卑猥ですよね。

このように御膳所の役人たちが、変な扮装をして次々と出てきます。これが数十も続きます。
人が足りないので、彼らは裏に引っ込むとまた別の扮装に着替えて出てきて、芸を披露したそうです。

正月から役人に芸をさせる大奥パワー恐るべし・・・・・・。

頑張れ!御膳所役人たち。

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